かえねこのサンバ

かえのブログです。

Colors of Stars (Steve Swallow) ハーモニー分析

Home(ECM 1980)を聴いてたらおもしろいハーモニーの曲を見つけたので、私の見える限り分析します。

 

 

 

(wattxtrawatt.com より引用)

 

一節だけで世界観をブレンドするシーラジョーダンが素敵。

 

一見、constant stractureの匂いがするトーナリティーのとりとめない曲に見えますが、3小節目の Eb△7(#9,#11) という特殊なコードに鍵があります。

9thがシャープする△7コードはハーモニック系に属します。ハーモニックマイナー/ハーモニックメジャーです。

さらに#5の表記があったならハーモニックメジャーですが、無いのでハーモニックマイナー由来のコードのようです。

(じつはaugスケールからも導き出せます。書いてて気づいた←augスケール由来の場合#11表記ができません。11thも#11thも無いので)

どうやらEbmaj7(#9,#11)はGハーモニックマイナーに属するようです。ここで2小節目を見てみるとG-に刺さりそうなII-Vになっています。すなわちこのEb△(#9,#11)は、G-△7(9)/Ebというのが正体のようです。紐解くとG-の曲のような気がしてきました。1小節目E7(alt)はII-に刺さるSecoundary Dominantですね

 

G-の曲だと考えると5小節目のE△7(#11)が少し遠いですね。転調がある気がします。

4、5小節目の△7(#11)はリディアンモード指定のようですのでここから絞れそうですね。後半の調はEbでしょうか。とすると6小節目のEb6/9はトニックメジャーですね。すなおだ

ではAb△7はIV、E△7はbIIです。bII△7→I△7(6/9ですが機能的に一緒)は単なるスライドみたいですが、書かれていないV7があると考えてもおもしろいかもしれません。bII△7はルートが半音違う以外II-7b5と同義、またII-のかわりに使うのをナポリの和音と言ったりするようです。V7を幻視するとFalling Graceの冒頭みたいですね。

最後のB7は最初のE7に刺さるExtended Dominant

 

まとめましょう。

G-: (V7/II)→| II-_V7 |  I-△7/bVI Eb:(subV/IV) |

| IV△ | bII△7 (V7→) | I6/9 (V7/Vi) | (V7/VI)→ | fine

 

結論は

前半3小説がGminor、後半4小節がEbmajorの曲です。

 

ありがとうございました。

 

ベースアンプ買ったので、それに決めるまでの物語

Phil Jones Bass Session 77を購入しました。

 

pjbjapan.com

 

導入までの経緯、心の動き、他製品との比較など振り返ってみようと思います。

 

前書き

 

自分はジャズの演奏活動を主にやっているエレキベーシストです。

エレキが故、アンプがなければ演奏はできません。大抵の、ライブ演奏が想定されている箱であれば自分のアンプなど必要ないのですが、時にはホテルやレストランなどで即席のステージにて演奏することがあります。

今までは大学から500wのハートキーを借りていたのですが、もう来年からそれも厳しいし、、、 ということで自分のアンプの検討を始めました。

 

電車移動(車なし)、エレキベースを前提としてジャズで活動する上で必要なスペックは以下の様相

 

・重くない(≦13kg)

・高出力(100w程度ほしい)

エレキベースが木の楽器かのような音がする

・最低限以上必要な低音が出るか

・値段(予算50000くらい)

 

ジャズといっても自分の場合コンボがほとんどのため、フルオープンのグランドピアノくらいの音量が確保できるか?が第一の争点でした。ドラムよりピアノを仮想敵にするのおすすめです。ドラムの最大音量って果てしないけどピアノのそれは多少頭打ち感あるので。

結果として100wくらいで必要十分か、という結論。

車持ってたら20kgくらいまで選択肢広げるのもありだったかもしれません。

 

低音については原則、スピーカーの径が大きいほど安心という感じ。7インチのsession77はかなりギリギリ

 

予算を一旦無視し、ひとまず候補として、

pjb Session 77(100w、12kg、7インチx2)

pjb Bass Cub II(110w、7kg、5インチx2)

Gallien-Krueger Mb112(200w、12kg、12インチ)

Fender Rumble 100(100w、10kg、12インチ)

に目星をつけました。一個ずつ精査していく作業が始まります。

 

各々のレビューが今、はじまる

 

Gallien-Kruegerは真っ先に候補に上がりました。ジャズ系で使われる前例の多さからの安心感、また大学に前世代のものが置いてあったこともあり、出力具合もだいぶわかっていたためです。

しかし自分と相性が悪かったのか、音の奥の方に極僅か、安いプレベを安いアンプで鳴らしたような音と同じ成分が混ざっていた_ように感じたことで一旦保留に。前世代の古い機材だったことも原因だったかもしれませんが

 

pjb Bass Cubをその後、試奏しに行きました。大変クリアな出音は感動的でした。しかし、アンサンブルに混じればそのクリアさは冷たい音、という印象として映ることがあり、例えば包み込むような低音をリクエストされた時、5インチという超小型スピーカーでの再現は厳しそうなイメージがします。出力にも不安があったため除外...。

 

Fender Rumbleは最後の最後まで候補にあり続けました。試奏する機会にもう少し早くありつけていたらこっちを買っていた可能性すらあります。実際に音を知れたのはアンプを買ってからでした。

とても豊かな低音とパワー、そして物の軽さを両立しています。このアンプ、本当に軽い。

音も申し分無く、象を彷彿とさせる温かさがあります。

session77購入の直前まで両製品の名前でsns上検索を繰り返していました。このFender Rumbleをジャズで使うという前例が見つからず不安だったため、断念することに。Youtubeの機材試奏動画はバンド演奏でやってくれないとよくわからない いろんなジャンルがあるとなおよい

 

紆余曲折あり、pjb Session 77に決定しました。bass cubと同じベクトルの音ながらスピーカーが広く、pjbの冷たさを補えるのではという狙いです。試奏が叶わなかったため勘で買った

スピーカーの配置がBaba is youのBabaの目みたいでかわいかったのが決め手かもしれない

マグナカート買ってバンドに持ち込めるようになったらまた改めてレビューしたいと思っています。

 

2023年1月11日現在の噛んでいる仕事!

ヴォーカル&ベース

あおやぎしんや(vo)とのデュオです。ケミカルに、おだやかに、スリリングに、感傷的に、情熱的に、渋めに、エキセントリックに、、、どうやったって音数が少ないため二人とも全力の表現ができ、極限までシンプルな編成から様々な音楽を提供できます。

 

1/27中野JET BARでライブの予定。

 

Song For_

佐藤貴峰(tp)、Li Jiayu(pf)、一色雄哉(ds)とのバンド。ジャズを基底にメンバーオリジナルやポップスなどを演奏します。

今の自分たちが創る1曲を誰かのために、あなたのために、自分のために

 

kitasando.grapes.tokyo

 

Li Jiayuバンド

洗足学園音楽大学ジャズコース定期演奏会で公演したバンドでのライブです。リンク先一つ目のバンドで、聞いていただければ方向性は明らか。楽しザウルス! Li Jiayu(pf)、佐藤航(reeds)、あおやぎしんや(vo)、山口友郎(ds)

2月23日東中野ALT_SPEAKERでライブの予定。

 

Jazz Night

毎週第二金曜日にセッションホストの一員に叙せられています。masa2sets読売ランド店にて。直近は1月13日

https://www.masa2sets.com/events/jazz-night-49

 

停車場学生session

セッションホスト。2月14日に予定があります。きてよね

 

ピアノ&ベース

久田彪(pf)とのデュオ。昨年12月3日にはご好評をいただきました。

デュオならではの自由に発展するアンサンブル、その奔流の只中にいる体験を提供致します。

未定ですが近々。

 

トリオ

枦山雅季(tp)、相澤亙(pf)と企画中。スタンダードを面白く調理できそうなメンバーです。未定。

使用ベースと音楽性の振り返り

中2冬-ベースを始める。ブルーハーツが好きでそればっか聞いたり弾いたりしてた気がするな

Selva(いしばし楽器保有ブランド)の初心者用セットのベースを弾いてた。1万円くらい PJ

 

中3秋-このころにはゆらゆら帝国にはまってたはず。隣町の未成年用音楽祭みたいなののためにバンドを初めて組んだ。お年玉貯金でGibsonSGベースを買った。

 

高2秋-高校は軽音楽部に入って楽しくやってた。スラッピングにはまってた。好きだった音楽はLevel42とPrimus。思うと当時自己中ベーシストスタイルを突き詰めたおかげで今音楽全体を見るよう意識してるから良いカルマだった。のか?SGを仕舞ってmusicman SUBを買った

 

大1-高3のとき買ったfenderアコベでジャズを勉強し始める。ピエゾがじゃりじゃりしてぴえん 今までやってたスラップ-ファンクスタイルと習うジャズが合わなくて苦悩。いままでのスタイルを崩して正面からジャズに立ち向かえるようになったのは2年末ごろ?Steve Swallowが好き。故にピック弾きをはじめる

 

大3-fenderアコベの電装部分がぶっこわれる。練習用として勇退。しばらく使ってなかったSGを弾き、ドイツの通販サイトから5弦フレットレスhi-cアコベを輸入する。Paul Bleyがすき

 

大4-輸入したやつが真っ二つになる。SGを5thチューニングにする。Red Mitchellすき

 

大5-留年 スタンダードに真っ向から挑むことに興味がある。

ベースのチューニングを5度にする

4弦ベースの基本チューニングは下からEADG(4度)です。それをEBF#C#の5度にしました。

 

利点

・上側に音が増えるので、比較的高い音を極端じゃないポジションで扱うことが出来るようになります。

普通の弾き方で使える音が増える

 

・Hi-Cの5弦ベースを超える音域をカバーできます。

ソロが楽しくなる Donna Leeをオクターブ上で弾ける 20フレットの楽器でもラまでいける

 

・レギュラーチューニングで培った手癖がリセットされます。

音楽の強度が上がる

 

・意外とすぐ弾けます。

レギュラーチューニングのベース歴6年くらいの筆者の場合、3週でウォーキング程度は困らないくらいに、4ヶ月目の現在は不自由なくほぼ以前通りのレベルで弾けています。

 

・所持ベースの可能性に気づくことも。

SGベースってこんなに高域綺麗だったんだ 知りませんでした。

 

 

欠点

 

・レギュラーチューニングのベースが弾けなくなります。

特に楽器の貸し借りが発生するときに困る あと試奏

 

・左手が忙しい。

上ツイート参照 Gメジャースケールを2オクターブ弾いています。

 

 

弦選び

EBF#C#の場合です。Red MitchellみたいなCGDAは気が向いたら別の記事で今後書くかもしれません。

 

各弦の考え方

E......レギュラーチューニング4弦と同じ。しかし1弦側テンションが強くなるチューニング法のため、釣り合いのため多少強めのものの方がいい。

 

B......レギュラー3弦の長2度上、もしくはレギュラー2弦の短3度下。すなわち、ちょっと細いA線or太いD線を用いる。

 

F#......レギュラー1弦の短2度下。.50くらい?

 

C#......Hi-C線の短2度上。ほぼ代用可能。

 

実例

https://www.amazon.co.jp/ROTOSOUND-FM66-ROT-FM66-Funkmaster-エレキベース弦/dp/B002CVUNO8

 

本来はマークキングスタイルのスラップ用ステンレス弦。30-50-70-90

使おうと思えば全部使えますが、4弦(E)が緩くなりがちなので、バラ弦などで4弦だけ見繕ってあげた方がネックにやさしい気がします。

 

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/257713/

 

6弦ベース用ブラックナイロン。43-60-70-94-115-135

高いです。ブラックナイロンにこだわるとほとんどこれ以外選択肢はないです。

6弦のうち4本使います。

 

練習方

筆者がしてたことを思い出します。

・スケールを弾く

上ツイートのように。全てのスケールを網羅しなくてもメジャースケールだけでいい気もします。

ツイートの動画では、ソラシド/レミファ#ソ/ラシドレ/ミファ#ソ、と弦を渡っています。10Fから3Fに移る動きに慣れましょう。人差し指で3Fも5Fもカバーしているのもポイント。So Whatのサビをコントラバスで弾くときの運指みたいなイメージです。

・知ってるバップ曲のメロディーを弾く

まずはAu PrevaveやOrnithology、Oleoなど比較的モチーフディヴェロップ的な曲を。慣れてきたらConfirmation、Serenade To a Bus Seat、Dolphin(Luiz Eca)などもおすすま。

 

 

最後に 何故こんなことをしたか?

最後は筆者の個人的な話です。

Hi-C5弦ベースとして運用していたアコースティックベースが不注意により真っ二つになりました。他に5弦は所持しておらず、しかしHi-Cの音域が惜しかった私は手元にあった4弦のアコースティックベース、SGベースの音域を広げました。

メイン楽器が真っ二つになったのは悲劇ですが、そのおかげで一歩前進でき、オリジナル(おそらく)のチューニングを確立でき、この記事を書くに至りました。表裏一体

 

この記事が私以外の、多弦ベースを折った全てのひとに希望を与えることを願います。